書評:丸尾孝俊「大富豪アニキの教え」を読んで学んだ人生で大切にすべき教え

私は「大富豪」とか「金持ち」とかというタイトルに弱い。

それは、いわゆる大富豪の方々がどう思考をして、どう行動をしたかが気になってしょうがないからだ。

別に読んだからって急に自分自身が金持ちに近づけるわけではない。

だけど、この「大富豪アニキの教え」は一読の価値があると思います。

何が書かれた本なのかというと、自宅が29軒、東京ドーム170個分の土地を所有するバリ在住「著者:丸尾孝俊氏の視点」です。

お金・仕事・人とのつながり・人生の意味など従業員5300名を抱えるアニキだからこその視点が面白い。

文章もテンポ良く程よく笑いながら読めるので気軽な気持ちで手に取ってみてほしい一冊です。

2012年6月21日と決して新しい本ではありませんが、リモートの増えた現代にはとっても価値のあることが書かれています。

 

こんな人におすすめ

・リモートワークが増えてしまった人

・「充実した人生」に悩んでいる人

・サービス業や業務で営業をしている人

 

「大富豪アニキの教え」のココがいい!

「このままの自分で、一生を終えたくない」

本の主人公、鈴木一郎(愛称:いっちゃん)が自分の人生を変えるべくバリ島に住んでいるウルトラ大富豪のアニキに会いに行く場面から本書はスタートします。

バリ島まで行ったいっちゃんに「お金・人生の目的・人間関係」など誰しもが生きていれば悩むことについてアニキがバコーンと爽やかに教えてくれるという内容。

その中でシビれた部分3つほど紹介します。

 

とにかく、人と会って、絆を深める。同じ空気も時間も共有する。

リモートワークが増えた現代社会。

合理的といえば合理的だけれども、コミュニケーションの満足度はどう感じますか?

1対1のリモートでの話し合いなら「おしゃべり」に近い形でコミュニケーションを図れるかもしれません。

しかし、人数が多ければ多いほど空気を読みすぎて「無言」になるケースが増えると思います。

リモートワークの欠点が、同時に発言をすると音声が混ざって、雑談が大変しにくいことだと思います。

でも、リアルで会えば3人だろうが4人だろうが声がかぶっても会話って成り立ちますよね?

何よりも実際に会って話す方が言葉に感情をのせやすい。

いちいちリモートのスタンプ機能で「いいね」的なニコニコ絵文字を押さなくても伝わります。

筆者の本の中で繰り返し伝えられている言葉「人とのつながり」。

同じ時間を共有するのみならず、同じ空気も共有してこそ、本当のコミュニケーション。

リモートワークが増えた今だからこそ、会える時は会って話すことに価値があるのではないかと感じました。

 

「義理と人情と職人技で仕事するねんて。『合理化』で仕事したらアカンのや」

これ、本当にいい言葉。

私は仕事柄(薬剤師)人と関わる仕事をしています。

患者さんの健康以外にも職業の特徴や生活スタイルをトータルで考えて指導することが必須になります。

眠くなるものを何の説明もなしに、タクシー運転者やトラック輸送者に渡すことは出ませんから。

そこでやはり大切になってくるのが、相手に興味を持って話を聞き出すことができるか、です。

ロボットのようにただ「なんの仕事をしていますか?」と言っても「誰が今日初めて顔を合わせたお前なんかに教えるか!」となって当然でしょう。

仕事だとしても、ある程度の人としての暖かさがなければ、人と人とのコミュニケーションなんて上手く行くはずがありません。

また、個人的に痺れた言葉、「職人技」。

何の職業であれ、客として悩みがあったら、その手の道のプロに一番相談したいものですよね。

長年仕事をしていると、自分の仕事のスキル磨きを忘れてしまいます。

そんな時に効く、シビれる言葉が「職人技」。

どんな職業の人でも、その職業にしかできない固有のものがあるはずなので、磨きをかけたいものですね。

 

「あのな、いっちゃん。『継続すること、続けること』、それ、本当に、めっちゃ大事やねん。それだけで、人生が変わるくらい、大事なことやねんて。

継続。これほど重要で確実な成功の秘訣はありません。

成功している人は皆、誰だって継続し、続けています。

みなさんだって理解はしていますよね?

でも、いつの間にか惰性で生きるようになっていませんか?

現実から逃れることばかり考えていませんか?

ありふれた言葉だけれども、実践することが中々できません。

だから成功者っていわれる人は、いわゆる普通の人よりも少ないのです。

ごくごく凡人が考えそうな例で申し訳ありませんが、超金持ち人気YouTuberのヒカキンさんは動画を撮り続けて地道にアップロードしてきたからこそ、今の成功がありますよね。

今は亡きアップルのスティーブ・ジョブズは「シンプルに直感的に扱えるツール」をひたすら追い続けてきたからこそ成功があったわけです。「もっとコンパクトにしろ」「もっとアップルらしいデザインにしろ」「美しくなければアップル製品ではない」。

ひたすら人々が利用するデバイスについて考えつづけ追い続けたからこそ今のiPhoneやiPadが存在します。

そこには地道な継続が必ずあります。

私は筋トレをしていた頃、この継続は力なり、ということを身にしみて実感しました。

鍛えれば必ず筋肥大が起きるわけです。

お金持ちになりたければ、お金持ちになるために勉強をすればいい。

10年もやれば、それなりに、というかかなりその道に詳しくなるでしょう。

継続という言葉、何事でも本当に大事にしたいですよね。

 

著書のプロフィール

バリ島に住む関西弁の日本人大富豪兄貴(丸尾孝俊)

1966年、大阪府生まれ。

幼少期は食べるものに困るほどの極貧時代を過ごす。

中学を卒業後「看板屋」に住み込み「丁稚」として就職。

その後、運送会社や、吉本興業(株)などを経て、20代で単身インドネシアのバリ島にわたり、事業を開始。

多くのインドネシア人にお金を貸しているうちに、「自分がほぼ無一文」に。

そこから奇跡の大逆転をして不動産で資産を築く。

その資産はありすぎて試算できないレベル。

地元の人々に学校、病院、サッカー場などを寄付したりさまざまな伝統芸能の維持運営の資金を援助するなど、困る人々への手助けを惜しみなく続けている。

たくさんの雇用も増やしている。

現地人からは「兄貴」などの愛称で慕われている。

現在YouTubeにて情報を発信している。

 

 

まとめ

本書を読めば、人と関わる上で大切にすべき考えを学ぶことができます。

読書後は「自分の人生の充実のためにも、もう少し周りの人のために生きていこうかな」と思えます。

人との関わりがあったこそ人生が開けた著者が語る視点は深く心に刺さるからです。

小手先のテクニックが書かれた成功本なんかと違い、根本となる兄貴マインドが確立されれば、誰からも大切にされる人になるでしょう。